w/ 025 IF

type: space / image
function: office (residence)
location: chuo, tokyo
floor: 1000m2
collaborator: tpm, oyy

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– 条件

オフィス – ビルとはなにか。そんなことを考えながら、L字型の平面形状をもつ敷地を対象にスタディを繰り返している。

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テナントビルであるから、個性的である必要はなく、ニュートラルであることが求められる。階ごとに貸し出すため、階ごとに個性を演出する必要はない。というところから、基準平面階を持つ一般的なオフィス・ビルについて考えることにした。

それから、テナントビルの決め手はファサードとエントランス、すなわちテナント階までのシークエンスをできるだけ明快にすることだというクライアントの要望を踏まえ、地上階にテナントを設けず、豊かな共用部としてのエントランスとした。

といってももちろん、テナントビルであるから採算性の観点から、容積を使い切るように、効率的に基準平面階を積み重ねていく。

– 平面計画(基準平面階)

まずは効率的にワーキングデスクを並べられる、シンプルな矩形の平面を持つ執務空間がいいだろうと考えた。敷地の南面・北面の二面で道路に面する立地のため、間口6m・奥行約15mのオフィスフロアを確保し、地上階はピロティとすることで、歩行者が通り抜けられるようにした。

したがって、L字型敷地の残りの部分、南東部に自ずと執務空間以外の機能を付与していく。垂直導線としての階段とEV、水回りとしての給湯室とWC。それでも容積に余裕があったので、会議室も設けることができた。

(オフィス部の専有率は75%以上が望ましい)

– ピロティ(地上階)

基準平面階の共用部をなるべく小さくし、地上階に共用部を豊かに設けることで、ビルの顔としての側面を際立たせる。

よくよく考えると、基準平面階では、オフィスエリア(ユニバーサル/執務空間)とサービスエリア(スペシフィック/諸機能を満たす空間)と大きく2つに分類される空間をつくったことになる。しかし、ユニバーサルな執務空間とはいえ、そこでの活動は非常に制限され、出なければ労働環境としての効率は下がってしまう。

そのためにも、サービスエリアの方に会議室や給湯室、それから本当は談話室や食堂、オンラインブースなんかもあったほうがいいはずだ(設備設計の観点から言っても、後から間仕切り壁を設置することは面倒なことだ)。

といっても専有部に余計な空間があってもいけないから、地上階に食事や団欒といったほっと一息つけるスペースを確保することも、大事なのかもしれない。

– ファサード

悩ましいのが、ファサードである。私はまず、オフィスエリアとサービスエリアという2つのエリアが異なる空間の質を持つことからファサードも2つの異なる顔を持つべきだという観点からスタートした。